2021年の住宅ローンの金利動向

主要ネット銀行、都市銀行、信託銀行の2021年1月の住宅ローン金利から、今後の金利について考えてみました。

各銀行の住宅ローン金利比較

各銀行の金利タイプごとの最優遇金利は以下のようになっています。

変動金利ではネット銀行が、固定金利では主要都市銀行や信託銀行ががんばっています。調べた中で最も低い金利を黄色で塗っていますが、各行ともNISA口座を作る、投資信託を購入する、クレジットカードを作る、など他の商品との抱き合わせでさらに金利を下げてくれるサービスもあります。

また、ネット申し込みでさらに金利が下がったり、住宅ローンの契約(金銭消費貸借契約)を店頭や紙ではなく電子契約で行うことで、印紙代を節約できる銀行もあります。印紙代は住宅ローンの借入額により、1,000万円以下で1万円、5000万円以下で2万円ですので、その分借入時の諸費用が節約できます。夫婦でペアローンという場合は2人分で4万円の節約になれば、まあまあ大きな金額ですね。

ネットバンク以外でもすすむネット申し込みで金利優遇も

ネットバンクがインターネット申し込みなのは当然ですが、主要都市銀行でも住宅ローンの仮申し込みから契約までインターネット化を進めています。三井住友銀行では基本店頭でのリアル相談はなく、店頭での相談を予約してもビデオチャットでの相談となります。低金利が続く中、銀行も店舗の人材負担を減らすためにこうした工夫が進んでいると言えます。

また、三菱UFJ銀行とみずほ銀行ではネット申し込み専用の金利をもうけ、店頭申し込みより金利を優遇しています。たとえば、変動金利は三菱UFJ銀行は店頭で0.575%~ネット申し込みで0.475%と0.1%の差、みずほ銀行は店頭で0.65%~、ネット申し込みで0.475%~と0.18%の差となっています。

銀行により力を入れている金利タイプが異なる

変動金利は概ねネット銀行が低金利ですが、当初一定期間固定金利の当初固定金利型や全期間固定金利型は圧倒的に主要都市銀行や信託銀行の方が低金利です。

特にネット申し込みをうたわない三井住友信託銀行は当初3年固定では三菱UFJ銀行に負けるものの、当初5年、10年、20年固定金利はすべて最低金利です。35年固定金利はありませんが、30年固定金利は0.97%~とやはり最低金利となっています。

また、三菱UFJ銀行の当初3年固定金利型は、3年間は低金利ですが4年目からは優遇幅が-2.7%から-1.95%と0.75%小さくなるため金利が上がる可能性が高く、全期間を通しての金利を慎重に選ぶことが必要です。

さらに、表には入れていませんが、みずほ銀行では全期間固定金利だと金利が低くなる「全期間固定プラン」があります。インターネット申し込みでは、25年全期間固定金利で0.94%、30年で0.96%、35年で0.98%と低金利のラインアップとなっています。

今後の金利動向は?

住宅ローンの金利は変動金利や当初固定期間10年未満の金利は「無担保コールレートオーバーナイト物」(短期金利)に影響を受け、固定期間10年以上の金利タイプでは新発10年国財の利回り(長期金利)に影響を受けます。

短期金利は銀行間で無担保で1日だけお金を借りるときの金利です。現在は日銀によって短期金利はおおむね-0.1%に、長期金利は0%±0.2%に誘導されています。(2021年1月17日現在)金融政策については日銀の金融政策決定会合後に発表される意見等を注視することが必要です。

参考のために短期金利と長期金利の金利推移をグラフにしてみました。

短期金利は1998年から、長期金利は2018年から日銀が介入するようになったのですが、いずれにしてもどちらも長期間低金利が続いているのがわかりますね。

金融政策が変わるとすれば、ザックリ言えば景気が回復し消費が活発になり、物価が上がるときです。

30年、35年と長期間借りる住宅ローンであれば、低金利の今固定金利で借りてしまうのも1つの手ですし、金利上昇リスクを家計の中で取れるなら、変動金利で借りて低金利の恩恵を最大限受けることも手です。ただし、変動金利で借りると、金利上昇時には返済額が増える、という金利上昇リスクを自分が抱えなくてはなりません。

変動金利で借りるなら、借りっぱなしではなくこうした指標となる金利の動きや、景気の動向などに注意を払うことが必要です。

また、住宅ローン選びは金利以外にも様々考えるべき点があります。

自分の場合はどのような住宅ローンが向いているのか、そもそも有利な条件で住宅ローンを借りるにはどうしたらよいのか、詳しく知りたい方は個別相談も受けています。

ご相談の詳細は→ご相談メニューをご覧ください。

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